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笑顔や会話の大切さ:タルミの予防

誰でも加齢とともに顔のタルミを避けられません。タルミの原因はいくつかありますが、一つは皮膚自体の緊張の低下。皮膚の張りを司る表皮下のヒアルロン酸が加齢により減少し、エラスチンと呼ばれるゴムのような成分が破壊され、皮膚自体が「ゆるく」なってきます。また、皮下組織のボリュームの低下も原因の一つ。加齢とともに脂肪組織が萎縮してくると皮膚に余りが生じ、タルミや小ジワができてきます。急激に痩せた時に窶れて見えるのはこれが原因です。


もう一つ大切なのが皮膚を深部から支えている筋肉の力の低下。特に顔の下半分の筋肉は皮膚が重力に従い落ちてこないように上方に持ち上げています。加齢やその他の理由でこれらの筋肉の筋力が低下するとタルミができやすくなるのです。長期にわたり筋肉を使わないでいるとそれが萎縮し筋力も次第に弱ってきます。いわゆる廃用性萎縮です。骨折した部位に長期間ギブスを装着していると眼に見えて筋肉がやせ細ってきますよね。


顔の筋肉も廃用性萎縮を起こします。顔の表情は感情に合わせて大小多数の筋肉が巧妙に働いて作られますが、表情筋、特に顔の下半分を造っている筋肉群は重力により口や顎のラインが下方に落ちないように支えています。これらの筋肉の力が弱るとそれに結合している皮膚も垂れ下がり、法令線やマリオネット線ができてきます。大きなシワの形成には 皮膚自体のタルミばかりでなく、奥からそれを支える筋肉のタルミも関係しているのです。


頬から顎にかけての筋肉のトレーニングをすることが、顔の下半分のタルミの予防に役立ちます。具体的には口角を上げる運動を繰り返します。手で引っ張るのではなく、自分で筋肉を動かして口角を持ち上げます。筋肉をストレッチする手技であるマッサージとは異なります。また、口すぼめ運動などで口輪筋を鍛えることで法令線やマリオネット線 をもたらすタルミを予防します。 口唇を閉じる力を鍛えるグッズも市販されています。こうした運動を自分でするのが面倒という方には、電気刺激によりタルミの予防に大切な筋肉を鍛えてくれる器械もあります。


ご家庭でも笑顔や会話を欠かないでください。身体の筋肉を鍛える運動ばかりでなく、ぜひ重力に抗するお顔の筋肉の運動も取り入れてくださいね。





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